
ICTへの特化
i-Constraction

当社のi-Constructionへの取り組み
Initiatives
国土交通省は、建設現場の生産性向上を目標に最先端技術(ICT技術)を用いることで施工効率を大幅に向上させることを推進しています。
施工に関係するプロセスは大きく分類して以下の5つになります。
①3次元起工測量
②3次元設計データの作成
③ICT建機による施工
④3次元出来形管理
⑤3次元データの納品
多くの会社が上記の5業務を外注する中、当社では専用ソフトやICT建機を自社保有し、全面的に内製化(社内で完結できること)を目指し、大幅に生産性を向上させる取り組みを継続しています。
①3次元起工測量
様々な測量技術を用いて、工事現場の現況を3次元で測量します。たとえ人が集まっても従来技術では非常に時間がかかり、難しかった3次元化も上記技術を用いれば、より詳細な地形情報を1人でも短時間で取得できます。3次元測量したデータは細かい点群の集合体となり、それぞれの点がXYZの位置情報を持っています。
当社では、UAV(DJI製のマトリス300RTK:P1・L1による写真/レーザー測量)や地上型レーザースキャナー(TOPCON製のGLS-2200)、もっとお手軽なハンディスキャナー(STONEX製のX120go)等を用いて、3次元起工測量・中間出来高査定・3次元出来形測定を行っています。
3Dで現地の状況を把握することで、「見やすい」「分かりやすい」はもちろん、位置情報の網羅、数量の算出や現況の地形などの詳細な情報をいち早く把握できます。



②3次元設計データの作成
2次元の図面を3D化することで完成イメージが非常に分かりやすくなります。また①で取得した3次元測量データと照らし合わすことで、土量の算出、工事における問題点のシミュレーションなどをいち早く行えます。特に現場の位置情報を点ではなく、面で出すことで測量時にはどこの場所でも事前計算もなく、気軽に位置を出すことができます。
当社ではKENTEM社(INNOSiTEシリーズ)やTOPCON社を中心に様々な機器に合わせた製品を用いて作成・解析を行っています。それぞれのソフトには一長一短ありますが、専用ソフトのため、簡単に分かりやすく 早く3D設計を行えるようになっています。
製品の保有だけでなく、作成や解析も全て自社で行っている点が強みになります。




③ICT建機による施工
衛星や測量機から位置情報を取得し、3D設計データをモニターに反映しながら施工できる機械がICT建機です。従来は丁張とよばれる目印が常に必要でしたが、モニターに設計データが表示され、自機のバケットがどこを施工しているかが分かるICT建機は、そういった手間を大幅に簡略化できます。結果的には確認手間ややり直しが減り、重機作業エリアに人が立ち入ることが少なくなったり、大幅な生産性向上に繋がります。
当社ではICT建機を7台保有しており、自社作業の多くをICT施工で行っています。またチルトローテータといわれるヨーロッパ発祥の最新アタッチメントも活用することでさらなる生産性向上を目指しています。
【当社のICT建機】
マシンコントロール(EARTH WORKS)
CAT(1.5m3級×1 0.8m3級×1 0.5m3級×2)
マシンガイダンス(杭ナビ・レトロフィット)
コマツ(0.8m3級×1)CAT(0.25m3級×1 0.15m3級×1)


④3次元出来形管理
施工完了後には、設計と比較して仕上がった構造物の精度はどうなっているのかを確認します。3次元設計データがある場合は、出来形を同じく3次元測量して算出し、比較します。
従来は測点ごとに設計との比較を行いますが、3次元測量の場合、立体的な形をだせるので、ポイントポイントごとの比較ではなく、面的な管理が可能になります。出来形はヒートマップとして出力され、設計と比較してどのくらいの精度でつくられているかが一目瞭然になります。
当社では、起工測量と同じく、DJI マトリス300RTK(P1)による写真測量、またはTOPCON製のGLS-2200(地上型レーザースキャナー)を活用して、出来形測定を行います。



⑤3次元データの納品
3次元設計データや3次元出来形はデータという形で工事完了後に発注者様のもとに納品されます。
3次元でのデータがある場合、今後災害などで道路が破壊されたとしても、もともとどういった形をしていた場所なのかがすぐに分かるので、迅速な復旧が可能になることが期待されています。


当社の考えるICT
最先端技術は人の生活を豊かにしてくれる
近年で最も進化している分野の一つがIT業界です。最近開発された技術や製品でも何か月後にはもう古い技術になってしまうほど、IT技術の進化スピードは速いです。
当社がICT施工を初めて活用したのは、平成29年(2017年)でした。3,000m3に満たない切土工事でマシンガイダンスの0.8m3級のバックホウで施工しました。当初は本当に正確なのか?と疑念を持っていた現場監督が山を1段施工した後、「今度から切土は全てこれにしよう!」と笑顔で語ってくれたことが非常に印象に残ってます。
それから、ある程度の数量の土工事はほぼICT施工を行ってきました。それまでは全て外注だったので、工事金額によってはICTを活用できない課題がありました。ICTの外注は高額なのです。ICTを経験したオペレーターは、ICT建機でないとガッカリするくらい印象も変わってきた中、歯がゆい思いもありました。
そんな中、ICT工事を全て自社内で内製化しているいくつかの会社様と出会いました。内製化することで全ての工事にIT技術を活用し、「楽に」「簡単に」「早く」「確実に」施工することが実現していました。
本当に衝撃的でした。建設業の未来は必ずこうなっていくと確信させられました。それから当社のICTの内製化が始まりました。ICT機器はどれも非常に高額です。しかし建設業の未来のあるべき姿のために必ずこの技術は実を結ぶはずだ!という強い思いで、設備投資を行ってきました。正直当社の内製化へのスタートは遅い方です。しかし初めに申しましたように技術の進化のスピードは速いです。スタートが遅くとも、当時より進化した技術に囲まれており、必ず追いつけるはずだと確信しております。
最先端技術を十二分に用いることで、仕事をより「楽に」「簡単に」「早く」「確実に」行えること。IT技術をもってお客様と従業員の生活を豊かにすることができると信じ、これからも内製化を進めていきたいと考えています。
